タクシー運転手と私、人との繋がりからイメージが変わった日

未分類

乗車の都度乱暴な運転をされ気分が悪くなるなど、あまりよいイメージを持っていなかった私は、最近までタクシーが好きではありませんでした。
走行距離が短いとき、「若者なら歩け。タクシーは長距離のときに使うんだよ」と言われたこともありました。

体調が優れなかったある日、休むと職場のお局様に怒られてしまう私は、何とか自力で出社しました。
午前中、冷や汗をかきながら仕事していたものの、段々気分が悪くなり、お昼休みに限界に達した私は、上司に体調が優れない旨を伝え、早退させてもらいました。
「タクシーで帰りなさい」と上司がお局様にタクシーチケットの発行を命じました。 呼んでもらったタクシーの運転手に、上司が私の住所が記された紙を渡し「お願いします」と言って見送ってくれました。

タクシーに乗り込んだ私は、「ホッ」としたのか、溜まっていたものが爆発したかのようにみるみる内に顔色が悪くなり、体は「ダラーン」としてしまいました。
ミーラー越しに見ていた運転手に声をかけられても、私は力が抜けた元気がない返事をしていました。
すると、近くのコンビニにタクシーを停車した運転手に、「帰ったら家に誰かいる?」と聞かれた私は、「いません」と答えました。
心配した運転手に提案され急遽病院に行くことになり、心臓病を患っている私は、かかりつけの病院の診察券を渡しました。
運転手が診察券に記載されている住所をカーナビに入力すると、病院に向け出発しました。
運転手はバックミラーのほか、赤信号になると、私の様子を見てくれました。
病院に到着しタクシーを降りようとした私に、「まだ、降りなくていいよ。病院の方に声をかけてくるから」と言ってくれた運転手に診察券を渡しました。
2分ほどで運転手が連れて来てくれた看護師さんたちの肩につかまった私は、病院の中に入っていきました。
私が呼ばれるまでの数分間だけではなく、看護師さんが電話して呼んでくれた母親が来るまで、診察を終えた私と一緒に運転手も付き添ってくれました。
病院に到着した母親と先生が話したあと、大きな病院に行くことになった私たちは、運転手にお礼を言って別れました。

大きな病院へ向かっている道中、「いい運転手のタクシーでよかったね」と言った母親に、私は「うん。安心したよ」と返事しました。
大きな病院に入院した私は、退院後、お局様に聞いたタクシー会社にお礼のお菓子を持参しました。
もう1度あのときの運転手と再会し、改めてお礼を言いたかった私は、休憩で戻って来られるまで待っていました。 運転手が戻ってくると、笑顔で「元気になってよかったよ」と言ってくれました。

その後引退されたため、あのときの運転手のタクシーにはもう乗れませんが、運転手のおかげで、あの日を境に私の中でタクシーがよいイメージに変わったことは確かです。 そんな私が地元で乗車するタクシーは、あのときの運転手が勤めていたタクシー会社です。

タイトルとURLをコピーしました